恋と嘘とベーシックインカム

今期放送されているアニメ「恋と嘘をご存知でしょうか。

 以下ウィキペディアより。コミック版の概要です。

 超・少子化対策基本法(通称:ゆかり法)により、満16歳以上の少年少女は自由恋愛が禁止となり、国が「国民の遺伝子情報に基づいて決めた」最良の伴侶と恋愛をして結婚しなければならない、子作りから家庭を作ることを義務付けられた部分的な管理社会となった未来世界。政府によって遺伝子レベルで最良と選別され結婚が決められた少女と、自身が本当に好きで忘れられない初恋の少女、その間で心が揺れ動く少年の恋愛物語。

という話です。とても面白いので是非見てみて欲しいのですが、

今回はこの作品についてどうこう言いたいわけではありません。

 この「恋と嘘」という物語は「もしもこういう世界だったら」というアイディアが元になっていると思うんです。なので僕も同じ要領で「もしも〜だったら」というのを妄想してみたいと思います。 

「もしも、必ず好きな事を職業にしないといけないという法律があったら」

という妄想です。

妄想の概要:20XX年。少子高齢化長時間労働が原因で、この国のGDPは下がり続けた結果、経済が破綻寸前まで追い込まれた。経済は近隣諸国に依存し、街には失業者が溢れた。根本原因の見直しが必要と判断した政府は、ベーシックインカムの導入とともに、教育制度を一新し「天職法」を制定。就業可能な年齢の国民は自分の好きな事を職業しなければならないと決められた ー

 

なんか悲壮感漂っちゃいましたが…でも、もしこういう世の中だったら、みんなが好きな事をして暮らしていけそうじゃないですか?でも色々と問題もありそうですよね…思いついた問題点をあげてみます。

・事情があって働けない場合どうするのか

・特に好きな事がない場合どうするのか

・職業によって人気に偏りができないか

・「好き」の基準と客観的な判断方法

・途中で嫌になったら転職していいのか

他にもありそうだけど、パッと思いつくのはこのくらいですかね。

 

事情があって働けない場合どうするのか

これは、現実世界でもやむを得ない事情で働けない人はいるので、対策も同じで良さそうです。

 特に好きな事がない場合どうするのか

これについては、好きな事を見つけられる仕組みが必要です。現実世界の日本の問題点(だと個人的に思う)として、大多数の人がいわゆる「サラリーマン」になるように教育制度が作られている点です。たまたま自分のやりたいことに気づけた人が「自主的に」その道に進む為に行動しています。バンドなんてその最たるものではないでしょうか

なので、小学校や中学校で様々な職業について学ぶ時間が必要です。それもかなりの時間を割く形で。今ある科目も変わるかもしれません。部活の時間がそういう時間になるかもしれないです。部活ももっと種類が増えたりして。現実的な「マネジメント部」とか、「起業部」とか「ウェブデザイナー部」とかあったっていいじゃないですか。(誰がその部活の顧問やるかとかは一旦置いといて。てか、顧問が1つの職業になるかも。)

数年前に村上龍さんの「13歳のハローワーク」ってありましたよね。あれをもうガチでやる感じですね。

新 13歳のハローワーク

新 13歳のハローワーク

 

 高校受験のタイミングではもうやりたいことが決まっていないといけません。

この辺りでドラマが生まれそうですね。「決められない子」がいたり、「親に反対される」とか。法に背いて自由に生きる!みたいな。こうなってくるといわゆる「普通科」高校はほとんどなくなりそう。大学も減りそう。本当にアカデミックに研究したり、勉強する職業(医者とか研究者とか)以外の大学は無くなって、専門学校が増えます。政治家も弁護士なんかを目指す場合も大学ではなく全て専門学校で学ぶことになります。よって学歴は意味が無くなり、学歴社会では無くなるはずです。

  職業によって人気に偏りができないか

ほっといたら間違いなく偏ります。みんな野球選手かサッカー選手かダンサーか花屋かケーキ屋になってしまいます。なので小学校や中学校での"職業について学ぶ時間"が大事になるのですが、もう1つ大事なのが職業によっては積極的に職業の魅力をアピールする必要があります。

 途中で嫌になったら転職していいのか

転職(会社を変える)は自由です。ただし全く関連のない職業に転職する場合は政府による審査が入ります。AIによる適正判断が行われます。問題なければ転職します。

 

転職できない場合、ダーマ神殿で神官に「レベルが足りないようじゃ」とか言われます。

嘘です。

 「好き」の基準と客観的な判断方法

法律で「好きな事を職業にしなければいけない」と決まっているので、嘘をついて職業を選んだり、金銭のみを目的としてその職業を選択した場合、罰せられます。ではどうやってそれを見抜くか。これは定期的にAIによる診断を行う事で解決します。車の免許の更新みたいな感じです。

 ちなみにこの世界では、ベーシックインカムが実現していて、また、いわゆる労働集約型(工場のベルトコンベアとか大人数で単純作業をするような仕事)の労働はロボットやAIにすべて置き換わっています。なので、好きな事を仕事にして、それがうまくいかなかったとしても、最低限の生活は保障されます

ちなみに人気のない仕事ほど人が集まらないのでどんどんとAI化やロボット化されます。何行か前に職業によっては、その職業の魅力を積極的に伝える必要があると書きましたが、機械化が不可能で、かつ人気のない職業は深刻な人手不足に陥る可能性があります。こういった職業は本来は給料が高いはずですが、金銭目的で働くことは禁止なので、それはできません。なので学校教育の中で魅力をしっかり伝える必要があります。

 まとめ

書いてて思ったのが「法律で定めなくても、もう既にそんな世の中になりつつあるんじゃないか?」と言うことです。「仕事」についてよく考えるのですが、世の中の皆さんは、働く理由の何割くらいが「お金」なんでしょう。僕はいま10割「お金」です。この場合の「働く」は、音楽の活動以外です。

もう給料 = 我慢料って感じです。

好きな音楽で生活したい僕としては、「天職法」がある世界は理想的な世界です。でもそんな世界になるとしてもまだまだ先の話なので、今の僕はコツコツ曲を作って、発信して、マネタイズの道を模索していくしかないです。お金のための仕事をしながら…。

 ながーい記事になりましたが、もし最後まで読んでくれた方がいたら、僕の妄想にお付き合いいただきありがとうございました!「恋と嘘」は面白いので是非観てみてくださいね〜!

 アニメの公式はこちら ↓

koiuso-anime.com